「ファイルサーバを2拠点で共有する ルータを越えて」では拠点間のファイルサーバを共用することに成功しました。今回は、NVR500 に USB HDD を接続してファイルサーバにしてみます。
ヤマハのルータ NVR500 をファイルサーバにするメリット
ファイルサーバの共用ができたから、わざわざ NVR500 をファイルサーバに仕立てるひつようはないんじゃない? って突っ込みですよね。NVR500 をファイルサーバにするメリットが実はあったんです。製品の特長を書いたページの下の方に「ファイル共有 / 同期」と言う説明があり、こう書かれています。「NVR500に接続された外部メモリ間で同期(ミラーリング)をすることもでき...」つまり、拠点間でファイルの同期が可能になるわけです。使い方としては、ファイルの同期機能を使って、物理的に離れた拠点に自動バックアップをほぼリアルタイムで取れることになります。それも、NGN網で VPN 接続しているわけですから超高速に同期できるのです。これが Internet 経由であれば、制限がかかり上りが xMbps だの、下りが yyMbps になるわけですが、1Gbps に近い速度で同期可能です。ただし、I/F が USB 2.0 なのでそこがボトルネックになってしまうかもしれません。USB 3.0 だったらな~。
さて、NVR500 なんですが、これに接続可能な USB HDD には条件があります。この条件を確認せずに接続すると痛い目にあるので注意してください。痛い目って言うのは、動かないってことです。
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それでは、その条件を確認しましょう。
- インターフェースは、USB 2.0 Type A です
- 供給可能電流は、500mA です
- ファイルシステムは、FAT16 または FAT32 です
- HDD 容量上限は、FAT32 の場合 2TB です
1 インターフェースは、USB 2.0 Type A
コネクタは、USB 2.0 Type A です。普通に PC にあるコネクタ形状ですね。最新の USB 3.1 とかではないです。USB 3.0 でも接続可能ですが、動作モードは USB 2.0 の速度になります。
2 供給可能電流は、500mA
説明書には書かれていますが、USB HDD を接続する場合は、500mA 以下の消費電流でも動作しません。実験で確認済みです。また、YAMAHAのサイトには、外部メモリ接続時の注意事項として、「消費電流が250mA以下のバスパワー供給のみで動作するフラッシュメモリであること」と言う記述もあります。どっちが正しいかはYAMAHAさんに確認してください。私は問い合わせしていませんが、実験では、300mAの USB HDD でNGだったので、WEBの記載のほうが正しいのかもしれません。
3 ファイルシステムは、FAT16 または FAT32 です
I/F 同様に、ちょっと古い規格です。せめて NTFS にしてほしいところですが、FAT32 止まりです。しかも、FAT32 でHDD をフォーマットするには、Windows10 の標準機能ではできないし、もちろん NVR500 単体でもフォーマットはできません。I-O DATA ハードディスクフォーマッタにお世話になるしかありません。I-O DATA の HDD を幸い持っていたのでお世話になりました。これを PC に入れてPCでFAT32フォーマットしてから NVR500 に接続すると認識されます。
4 HDD 容量上限は、FAT32 の場合 2TB です
ファイルシステムが、FAT32 と言うことは、1ファイルあたりの容量も制限されるし、接続可能な HDD 容量も制限されます。ファイルサイズは最大 4GB。パーティションサイズは最大 2TBです。
以上のような仕様/制限範囲で接続可能な USB HDD を探して接続することになります。
私のところでは、まず IO-DATA の手持ちの古い USB HDD を接続してみました。FAT32 でフォーマットしなおしてからですが、問題なく接続できました。この HDD は、容量が数百GBしかなかったため、新たに 2TB の 2.5″ HDD を USB HDD ケースに入れて接続する検討をしました。それで、次のものを2点づつ購入しました。
HDD
Seagate(シーゲート) BarraCuda ST2000LM015 バルク品 (2.5インチハードディスク(HDD)/2TB/SATA) 価格:10,374円 |
USB HDDケース
《送料無料》シンプルPASS BOX 2.5 セキュリティ機能搭載 USB3.0接続 SATA2.5インチHDD/SSDケース CENTURY/センチュリー/ハードディスクケース[CSPB25U3] 価格:2,480円 |
選定理由をは次のとおりです。
HDD:速度は重視せず、価格で勝負! リモート同期するので、データの冗長性は NVR500 で確保できます。よって信頼性なんかも考慮せず。
USB HDD:小型なので、簡単に取り外されてしまう可能性がある。よって、ロックがかかるものが良い。テンキーが付いていて、ロックコードを入力しないとアクセスできない仕組みです。ロックコードは、起動後1回入力すればあとは電源が切れるまでアクセス可能です。(後に、この仕様が違うことが判明します。10分アクセスがないとロックされるんです。困った~)
こんな理由でこれらの商品を選びました。2セット購入したのは、2拠点に1セットづつ置いて、リモート同期するためです。
ロックコードの設定も、解除も PC 接続は必要ではないので、NVR500 には持ってこいです。
今回は、ここまです。次回は、 NVR500 に USB HDD を接続できなかった?⇒できた? 話を色々と書いていきます。